« 家出少女 蘭開~人妻優子の場合~1 | トップページ | 家出少女 蘭開~人妻優子の場合~3 »

家出少女 蘭開~人妻優子の場合~2

第2話:屋上で……

ぐったりとした優子をそのままに店内を見渡すと、ちょうど注文が落ち着き、店は普段の静けさを取り戻している。

「これなら大丈夫だろう」

誰にも聞こえない位の小さな声で駿河は呟くと、アルバイトの青年を呼び寄せた。

「どうかしましたか?」

団体客が帰り、後片付けをしていた彼が駿河の所へやって来ると

「優子さんが飲み過ぎてしまったみたいでね。少し仮眠室で寝かせてくるよ」

指で示した先にはカウンターで顔を赤くして、明らかに焦点の合っていない瞳をした優子。

その言葉に青年もあぁ、とにこやかに頷く。優子が酔い潰れる事は初めてでは無く、以前にも何度かこんな事があったのを思い出したのだろう。

「どこへ行くのぉ?」

甘えた声で全身の力を無くしている優子に苦笑いを浮かべると

「じゃあ店は見てますんで。ゆっくり休ませてあげて下さい」

疑う事無く去って行く後ろ姿を確認すると、駿河の瞳は怪しく変化を遂げる。それは、もう一つの彼の姿。ゆっくり休ませて下さい……その言葉に頷きながら、実際は真逆な事を行おうとしている自分がなんだか可笑しい。

店を彼に任せそのまま優子を抱えると階段を上がり……予定だった筈の仮眠室を通り抜けてしまうと更に一つ上の階まで足を進める。華奢な優子の体は軽々と持ち上げられ運ばれて行く。

そして……その突き当たりの扉を開くと、そこは小さなこのビルの屋上になっていた。

生ぬるい風が頬を撫でつけ、酔った体にそれが心地良いのか優子は自分の足で立ち上がると大きく伸びをした。

「気持ちいい。それに……あんなに人が見えるんだぁ」

相変わらず呂律が回らないままの彼女が言うように、眼下には酔っ払い達が大声を出しながら闊歩している。

「……見られたい優子さんにはたまらないでしょう」

「え?」
   
      
  一瞬戸惑いの表情を見せた優子の背中から抱きつくと、駿河は黙ってその手を優しく手摺へと誘導して行く。

口では困るわ……そんな言葉を発するものの、その体に抵抗の色は見えず。そのまま首筋、乳房、そして太股へと駿河の手が下りると更に求めるようにミニスカートの下半身が左右に揺れる。

体に駿河の手が触れた一瞬で、既に彼女は捕われていたのだ。媚薬に満たされた物足りない体、奥の方からもっと触れられたいと隠された欲望が顔を出す。

「あんまり声を出すと下の人に気付かれますよ? それともこの綺麗な体を見せてあげますか?」

「嫌……そんな……」

見られている……。

恥ずかしさと共に漏れる吐息とは逆に、駿河の指が下着越しに秘所に触れた時、そこからぬるっとした愛液がどろりと流れ出した。

「本当はずっとこうされたかったんじゃないですか? だからこんな誘うような格好で」
大きく開いた胸元にも駿河の手は伸び、そのまま洋服ごと押し上げると黒のブラジャーから形のいい乳房が今にも零れ落ちそうで……

優子はというと、瞳を潤ませたまま、誰に命令された訳でもないのに健気に両手で手摺を掴んだまま、大きく尻を突き出していた。もっとそのままその手が、指が欲しい。

しかし……。

そんな思いは簡単に裏切られる。

「私はもう少し仕事がありますので、ここで皆さんに見てもらうといいでしょう」

カチリ、冷たい金属音と共にどこから取り出したのか、片手ずつ手錠で手摺へと固定されてしまった優子の両手。

そんな哀れな自分の姿を見て更に

「あぁ……」

と嬉しくて堪らないような声が漏れる。こんな所で、こんな格好で……それなのに、期待をしてしまう。

「ではこれで楽しんでいて下さいね」

相変わらず紳士的な態度のまま、スーツのポケットから駿河が取り出したのは三又に先が分かれた小さなローター。コントローラー部分からは独立した3本のコードが伸び、そのそれぞれの先端に小判型をした、男性の親指よりも少し大きいぐらいの振動部分が見てとれる。一つ一つの微妙な振動を手元で調整出来る優れものだ。

まるで仕事をするように、なんでもないように淫らな玩具を弄(もてあそ)ぶ不似合いさがまた、優子の心臓を高鳴らせているに違いない。

あの駿河さんが……こんな事を? そんなギA°?ャップは時に快楽へのスパイスともなる。

無表情のまま、別れた先の二つをブラジャーのカップの中へ、そしてもう一つを下着の中へ。乳首と肉芽の隣へと這わせるように……しかし、これでは物足りないぐらいの微妙な振動でセットすると

「じゃあまた後で」

「そんな……駿河さん、本当に?」

優子の言葉にもう返事は無い。

ガチャガチャと屋上の鍵をかけ、無情にも足音はカツカツと階下へ消えていってしまう。

あとに残されたのは……たくし上げられたミニスカートに露になった下着姿を震わせる優子の姿。

「見られちゃう……でもっ、気持ちいいの」

お願い、見上げないで……そう懇願しながらも、もしこんな姿を見られてしまったら、そんな妄想が浮かんでは消える。

恥ずかしいのに。

一人……また一人と歩く姿を見送る度に、自分の体の奥からどんどんと湧きあがる本当の気持ち。

確かに、構ってくれない夫の代わりに、こうして露出の高い服を着て注目を浴びるのが快感だった。だけど……こうして更に自分を曝け出してしまって気付いた事。

本当に見て欲しかったのは、きっとこんな惨めでどうしようもない姿。この姿をあの人に見られたなら……夫の姿を思い浮かべた瞬間一気に気持ちが高まっていく。

「あぁ……このままじゃ……」
それでも、自分の手で玩具に触れる事は適わず、中途半端に快楽を引き上げていくだけ。思わず歩いている人になんとかして、と叫び出したいぐらい狂いそうになる。

ブーンという振動音を立て、震え続ける玩具と共に、ネオン街の屋上で一人声を噛み殺しながら……その体は更なる快感を求め、蠢き続けた。

(蘭開 第2話おわり/第3話につづく)

|

« 家出少女 蘭開~人妻優子の場合~1 | トップページ | 家出少女 蘭開~人妻優子の場合~3 »