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家出少女 蘭開~人妻優子の場合~3

第3話:放置の果てに

「優子さん大丈夫でしょうか?」

駿河が店へと戻ると、皿を洗っていた手を止め、アルバイトの青年は心配そうな視線を向ける。おそらくいつもよりも戻って来るのが遅かったせいだろう。

「遅くなってすまない。ま、少し休んだら大丈夫だろう。また後で様子を見に行くよ」

そんな青年を安心させるように、駿河はいつものポーカーフェイスで、さらりと返事をする。まさかこの店の屋上で淫らな遊戯が繰り広げられているとも知らず、一つ、二つ、空きテーブルが増えていき、閉店間近の店は静かに静かに更けて行く。

優子の様子を思い、時々誰にも気付かれぬよう密かな笑みを浮かべながらも、いつもの様にてきぱきと動き、最後の客を送り出すと……駿河は青年を呼び寄せた。

「今日は忙しかったから疲れただろう。もう上がっていいよ」

青年が仕事帰りに付き合い始めた彼女の家へと通っている事は知っている。きっと早く会いたいだろう。珍しい提案に一瞬不安そうな顔をする青年だったが

「優子さんは当分目覚めなさそうだしね。待ちながらゆっくり片付けるよ」

そう、安心させるように声をかけると実直そうな彼は心から嬉しそうに頭を下げ

「お疲れ様でした!!」

いそいそと着替え、大声で叫ぶと帰って行った。

そんな声すら屋上にいる今の優子には刺激になるだろう。突然耳元へと届いた、しかも聞きなれた声。これまでに何度か顔を合わせた事のある青年に見られまいと、今頃必死に唇を噛んでいる筈だ。

「そろそろ……かな」

優子を屋上へと放置してから1時間。片付けもそこそこに、一度2階にある事務所へ立ち寄ると新たな玩具を探す。一見普通のトランクを開くとそこには色とりどりの責め具が溢れている。もちろんそれは、駿河が丹念に手入れをしている選りすぐりのものばかりだ。

その中の一つ。これがいいだろう……そんな呟きと共に真っ赤な男性器を象った玩具を無造作に手に取ると足早に再び屋上へと戻った。

   
      
  そこには……。

はぁはぁと荒い息を吐きながら、顔をピンクに染め、ドアの開いた方向……即ち駿河の顔を見つめ、訴えかけるような視線を投げる優子の姿が見てとれる。この扉が開いた音にすら、もしかしたら駿河では無いかも知れない……とその心を煽ったに違いない。

そんな優子にゆっくりと近付きながら

「どうです?たくさん見て貰えましたか?」

「そんな事……」

問いかけた声に顔を赤らめて首を横に振る優子。

「ずっと声を我慢していたんですね。で、こんなに濡らしてしまった……と」

小鹿のように震えながら立つ足の間からは薄い下着を通り抜けた透明な液体が糸を引き、そのままコンクリートの床へと伸びてしまっている。駿河の長い指がその蜜をそっと絡め取ると

「ううっ」

これまでの我慢もむなしく、直接的な刺激にそれだけで甘い声が漏れてしまう。

「こんな刺激じゃ物足りなかったでしょう」

声の出せない状態で3箇所を微妙な振動で1時間も責められ続け、それでもイク事は許さない駿河の意地悪な設定にもう優子が勝てる筈も無い。女の喜びを知っている体であればなおさら……。

「欲しいの……中にも。駿河さんのが、欲しいの」

耐え切れず、うわ言のように何度も繰り返す背中に

「私のはダメですよ。それでは浮気になってしまいますからね。けれど……」

そう、駿河にはポリシーがあり、こんな遊びはするものの決して相手を抱いたりはしない。不満を漏らしつつもちゃんと夫を愛している優子に対して、特にそれは必要な事。

もちろん駿河にとっても不満など無く、ただ一線を越える事なくこうして相手の性癖を引き出す事が楽しいのだ。

一方、やんわりと否定され耐え切れないというように体勢を崩した優子の目の前に現れたのは……先程手にしていたあの卑猥な形をした赤い玩具。

「そんな大きいの……」

不安そうな表情の奥に、物欲しげな瞳がきらりと揺れる。

「止めておきますか?」

それを承知の上で、今にも唇に触れそうなぐらいに近付けた玩具をぱっと取り上げると

「いやっ、嫌なの。それが欲しいの」

突然姿を消した玩具に、もう我慢できないと駄々をこねるように、首Z?を振って腰をくねらせる。

「そうですか。じゃあ……これは取ってしまいましょう」

スカートのホックを外すと一気に下着ごと抜き去り、露になった下半身を春風がなぞっていく。

皺にならないよう床にそっと着衣を置き、視線を戻した駿河の目の前に映ったのは、ハイヒールから尻までが美しい線を描き、乱れた上半身はそのままといういやらしい姿。

周りの店のネオンは既に消え、静かになりかけたこの街で更に駿河はその感情を追い立てる。

「外は暗いですし、誰がこの綺麗な姿を見ているか分かりませんね」

即効性である媚薬の効き目はとっくに切れているというのに……耳元で囁かれる言葉に変わらず、いや、どんどん増して行くように優子の興奮は高まるばかり。もったいない事にそれ程まで、この体は男を求めていたのだろう。

夕刻には心地良い陽気だった筈が、気付けば深夜になって気温も下がってきたと言うのに、剥き出しになった肌にうっすらと汗をかいているのもその証拠。

闇の中で駿河の声が響き渡る。

「じゃあ、行きますよ」

(蘭開 第3話おわり/第4話につづく) 

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